2025年8月11日月曜日

オレの親父作のキサゲ



べったりとベロの革に張り付いた緑青を、
このキサゲで削り取った。
このキサゲは、オレの親父(実の)が作ったやつだ。
目がつぶれちまったやすりを削って、
作ったんだと思ってたんだが、
刃物用の柄が付いてるので、
何か刃物系の工具を削ったんだと思われる。

いちおー、オレの親父は焼きとかの知識もちゃんとしてたし、
火花試験もできるみてーだったので、
金属材料の基本的知識もあるはずだ。
だから、刃物系の工具を削ったんじゃねーかな?
こいつの元々が、50年以上前のキサゲだったのかもしれんな…



前の877の緑青の記事でも書いたが、
キサゲとは、刃物状の道具で、金属の仕上げに、
金属表面を剥くように削って、平らにする道具だ。

金の指輪の内面なんかを仕上げる時に、
昔の職人は使ったってのを聞いたことがあるけど、
ジュエリー用のキサゲは、
今時使ってる人はいないんじゃねーかと思う。
オレも、若け~時に見せてもらって検討したんやけど、
なんか、自分には必要ない工具やと思って、
そん時は作らんかったんや。

市販のは、
その後彫金用工具を取り寄せた時に、購入したんやけど、
なんで買う気になったかっちゅーと、
23の時にたまたま親父に会って話す機会があった時に、
「最近の若い奴はキサゲも使えないどころか、
キサゲが何かってのも知らんだろうな」などと、
親父が言っとったからや。

これが、市販のキサゲや。

角度はこんな感じや。

結局のところ、オレの作業にはほとんど使い道が無くて、
使わなかっんやが、18金の指輪の内面を仕上げる時に、
一回だけ使ってみたんやわ。

その道だけずっとやっとるプロではないから、
“一発で上手く仕上がった”
とは言えん程度の仕上げにしかならんかったし、
それ以後は使わずにおったがやけど、
棚を作るのに、アルミ合金のパイプを切断した時の、
内面の面取りなんかには、キサゲは重宝したんや。

そん時、オレの親父の作ったキサゲも使ったんやけど、
オレの親父のお手製のキサゲの方が、
明らかに切れ味がいい。
何十年研いでいないにもかかわらずにだぜ。



その秘密は、彫金用の市販のやつとは、
全く違う角度だからやと思う。

市販のよりも
刃の立ち上がりの角度が浅くて鋭くなってやがる。

そう言やあ、「角度は何回も作って研究した」とか、
親父のやつ、言ってたっけな。

しかもだ、刃に反りが入ってやがる。
日本刀みたいに、反りを入れることで、
常にシャー角を付け続けながら切ることで、
切れ味を良くしてる訳だ。

考えられてるぜ。

市販のやつと比較すれば、一目瞭然だぜ。


このキサゲ、親父が死んだ後に、
オレが親父の持ってた大量の工具の中から貰ってきた。

オレの所に来てから、
様々な作業で活躍してる。

研ぎ直しもしてねーけど、いい切れ味のままだぜ。

親父の工具は、いろんな人に貰ってもらったけど、
こいつは、誰にもやらねー。





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返信は、気づいた時になると思うぜ。また、話し合いにすらならねーバカとやり取りする気はねーから、どうしても書きたいなら心して書けよ。
オレの記事を読みもしねーで記事と関係ねー事、しかも妄想炸裂のデマを書き込む差別主義者のオナニー野郎のパチンコ屋の父さんのブログのバカは、迷惑なので次はぜってーに許さねーからな!しつこいわバカ!